フォークリフトを上手に運転するコツは? 自動車の運転と何が違うの?


フォークリフトは、短期間の講習を受ければ運転できるようになります。
また、私有地内であれば、自動車の運転免許がなくても運転できるのです。
しかし、フォークリフトの運転をあやまると、大きな事故につながるでしょう。
そこで、今回はフォークリフトを上手に運転するコツをご紹介します。
フォークリフトは四輪車ですが、普通の乗用車と同じような感覚で運転すると危険な場合もあるのです。
会社でフォークリフトを運転しているという方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

目次

  1. フォークリフトと乗用車の違いとは?
  2. フォークリフトを上手に運転するコツとは?
  3. フォークリフトの操作が下手な理由とは?
  4. フォークリフトはどこで操作を覚えればいいの?
  5. おわりに

1.フォークリフトと乗用車の違いとは?

フォークリフトは、重い荷物を運べるように車体の前面に爪がついた荷役自動車です。
普通乗用車のような4輪車ですが、自動車とはだいぶ勝手が違うでしょう。
そこで、この項では、フォークリフトと乗用車の違いをご紹介します。

1-1.爪の存在

フォークリフトは車体の前面に荷物を運ぶ爪がついています。
ですから、重心は前にかかるのです。
運ぶ荷物が重いほど、バランスが取れにくくなるでしょう。
また、たとえ軽くてもかさばるものを運んでもバランスが崩れやすくなります。
乗用車を運転するような感覚でフォークリフトを操作すると、うまく方向転換などができにくいです。

1-2.車体の大きさの違い

フォークリフトは普通の乗用車に比べるとかなり小型です。
また、室内でも使いやすいように小回りがきくため、乗用車と同じようなハンドルさばきをすると、思っている以上に車体が横に移動することもあるでしょう。

1-3.車輪の大きさの違い

フォークリフトは前輪と後輪の大きさが違います。
重い荷物を運ぶために前輪が大きく後輪が小さくなっているのです。
また、後輪操舵(こうりんそうだ)といって、曲がるときに後輪が動きます。
乗用車は前輪ですから、感覚がことなるでしょう。
また、外輪差といって車体の前より後ろの方が大きく外側に動いてしまいます。
自動車の場合は内輪差といって車体の前輪部分が後輪よりもより内側に入る動きをしますから、逆になるのですね。

2.フォークリフトを上手に運転するコツとは?

では、前項でご紹介したことをふまえて、フォークリフトを上手に運転するコツをご紹介します。
フォークリフトの運転はなれです。ですから、1~2度運転してうまくいかなかったからといって、あきらめてはいけません。

2-1.ハンドル操作のコツ

フォークリフトは、乗用車よりもハンドル操作は小さく行います。
前述しましたが、フォークリフトは乗用車よりも小回りがきくのです。
ですから、曲がるときにハンドルを思いきりきると、後輪が振り回されてしまうでしょう。
どのくらいきればよいのか感覚がつかめるまで、小刻みにきっていくとよいですね。
また、前進しているときはゆっくりハンドルをきると、思ったように曲がれます。
バックするときは、乗用車と同じ感覚で大丈夫です。

2-2.リフト操作の仕方

フォークリフトのリフトは、爪を水平かやや前倒しにして操作を行いましょう。
爪の前面をあげて操作すると、荷物をすくいあげるように持ち上げられません。
また、荷物を持ち上げるときは、リフトを数回に分けて操作します。
一度で完璧な位置に爪をさしこもうとしても、うまくいかないでしょう。

3.フォークリフトの操作が下手な理由とは?

さて、ここまでフォークリフトを上手に操作するコツをご紹介しましたが、ご理解いただけましたか?
しかし、記事を読んで理解したつもりでも実際に操作してみるとうまくいかないこともあります。
そこで、この項ではフォークリフトが下手な人がやりがちな操作をご紹介しましょう。

3-1.急発進急ブレーキをよくかける

フォークリフトは、荷物を持って運転することが多いです。
何百キロもの荷物を積んで急発進すれば、積み荷が落ちそうになることもあるでしょう。
急ブレーキの場合も同様です。
しかも、フォークリフトの操作が下手な人は、周りをよく見ていないことが多いでしょう。
では、どこを見ているのかというと荷物を見ているのです。
乗用車を運転する場合は、前を見ていれば、視線を動かすだけでバックミラーから左右や前後の様子が分かります。
しかし、フォークリフトではそうはいきません。
バックミラーがついていたとしても、荷物が気になって前だけを見て横を見ないという方は多いでしょう。
すると、急発進急ブレーキを行いやすくなるのです。

3-2.車体の大きさを把握していない

フォークリフトは、爪がついていますから大きく見えます。
しかし、実際の車体は乗用車よりも小さいです。
また、舵(かじ)を取る後輪も小さいため、ハンドルをきりすぎると後輪が横滑りのように大きく移動してしまうこともあります。
ハンドルのきりそこねは、乗用車と同じような感覚でハンドルを握っているというほかに、車体の大きさを把握していないためにおこるのです。

3-3.重量オーバーして荷物を運んでいる

フォークリフトは、見た目よりもたくさんの荷物を運べます。
また、何度も往復して荷物を運ぶのが面倒だと、一度で荷物を運びたくもなるでしょう。
しかし、積載重量をオーバーして荷物を運ぶと、バランスを崩しやすくなります。
また、荷物に対して爪の形があっていないと、荷物が運びにくくなるでしょう。
フォークリフトの爪は取り外し可能で、いろいろな種類があります。
「どうもこの爪だと荷物が運びにくい」という場合は、爪の形を変えてみましょう。

4.フォークリフトはどこで操作を覚えればいいの?

フォークリフトは、技能講習を行っている自動車学校などの教習所で取れます。
5日から1週間の講習を受ければ取得できますので、普通自動車の免許に比べれば簡単でしょう。
ただし、フォークリフトを運転できるようになったからといって自動車の免許がなければ公道は走れません。
また、教習所で操作したフォークリフトと職場で使っているフォークリフトが違っていると、コツをつかむまでに時間がかかるでしょう。
実際、フォークリフトは運転しないとうまくなりません。
ですから、たとえ操作が下手でも回しに注意しながら運転してください。
そうすれば、だんだんコツがつかめていきます。

5.おわりに

いかがでしたか?
今回はフォークリフトの運転を上手に行うコツをご紹介しました。
まとめると

  • フォークリフトは荷役自動車だが、普通乗用車と操作方法がことなる。
  • 自動車のような感覚で運転するとうまく操作できない。
  • フォークリフトのリフトは水平かやや下に向けて操作し、荷物を一度でうまく乗せようと思わないこと。

です。
また、フォークリフトが運転しやすい環境を作ることも大切でしょう。
たとえば、小物が床の上に散らかっていたり荷物の置きすぎで通路が狭くなっていたりするような場所では、フォークリフトをうまく運転するのは大変です。
また、フォークリフトが走っている前にいきなり人が出てくると、接触事故を起こすこともあるでしょう。
ですから、理想はフォークリフトのルートには人が入らないようにすることです。
また、いろいろな形の荷物を同じ爪で運ぼうとすると、操作が難しくなります。
フォークリフトがいろいろな形状のものを運ばなくてはいけない場合、いろいろな爪をつけたフォークリフトを複数用意しておきましょう。
そうすれば、荷物も運びやすくなります。