バッテリーのサルフェーションとはどのような現象?~再生バッテリーの基礎知識~


フォークリフトのバッテリーが切れたとき、新しいバッテリーに交換するよりも再生されたバッテリーを使う方法を選択する人や会社が増えてきました。
現在、フォークリフト用バッテリーの再生サービスの利用を検討している方もいらっしゃるのではないのでしょうか。
サルフェーションとはいったいどのようなものなのか、鉛バッテリーとサルフェーション除去など、詳しくみていきたいと思います。

目次

  1. サルフェーションとは?
  2. サルフェーション除去について
  3. バッテリーを再生させるメリット

1.サルフェーションとは?

フォークリフトだけでなく、さまざまなバッテリーを再生するときによく耳にする「サルフェーション」。
名前は聞いたことがあるけれども詳しいことは知らないという人は多いのではないのでしょうか。
そこで、サルフェーションとはいったいどのようなものなのか、みていきたいと思います。
サルフェーションについて気になっている方はぜひチェックしてください。

1-1.サルフェーション=バッテリーの病気

サルフェーションを簡単に説明すると、バッテリーの病気です。
サルフェーションは被伝導性結晶皮膜と言われています。
通常、バッテリーが放電するときは化学反応によって硫酸鉛が発生しますが、発生した硫酸鉛は充電をおこなえば電解中に溶け込むようになっています。これが通常バッテリーのシステムです。
しかし、放電を繰り返しおこなっていたり、長時間放電状態のままでいると電解中に溶け込むはずの硫酸鉛が硬くなってしまい、結晶化します。結晶化された硫酸鉛は電解液の中にある負極板の表面にはりついてしまうでしょう。これが、サルフェージョンです。
サルフェージョンの量が多くなればなるほどバッテリーは寿命が短くなってしまい、使えなくなります。

1-2.サルフェーションによるバッテリーの劣化

サルフェーションが電極板の表面にたくさんつくと、どのような現象があらわれるのでしょうか。
主に挙げられるのは、以下の4つです。

  • 電気の流れが悪化する
  • 充電しにくくなる
  • 蓄電量が極端に減ってしまう
  • 放電しにくくなる

つまり、充電の効率が悪くなり、蓄電能力や放電パワーの低下、内部抵抗の増大といったバッテリーの不具合がたくさん出てくることになるでしょう。
バッテリーは寿命だと判断され、使えなくなってしまいます。
鉛バッテリーの唯一の欠点だと言われているサルフェーション。
放電中のときのサルフェーションは非常にやわらかい物質となり、バッテリーを充電すればそのまま電解液に溶け込みます。
通常どおりのサイクルであれば問題はないのですが、一度、結晶化したサルフェーションは二度と電解液の中に溶け込むことはありません。ここが結構やっかいなポイントなので知っておくと良いでしょう。

2.サルフェーション除去について

2-1.電気的振動を与えて除去する方法

サルフェーションを除去するためにはいろいろな方法がありますが、主な方法としては「電気的振動を与える」ことが挙げられます。
「サルフェーション 除去」と検索すると“パルス電流”という言葉がたくさんヒットするでしょう。
パルス電流を流す機械にもよりますが、短い時間の間、一瞬のうちに流れる電流のことをさしています。このパルス電流をバッテリーの電解液に流すことで電極板にはりついているサルフェーションが分解できます。
分解されたサルフェーションはそのままゆっくり電解液の中に溶け込んでいくでしょう。
このように、パルス電流を流しで分解させる方法が主流となっています。
パルス電気はゆっくり時間をかけてサルフェーションを分解していくため、電極板を傷つけることなく除去できると好評です。

2-2.充電の繰り返しで再生し、アンチエーシングを

パルス電流でサルフェーションを分解したら次は充電を繰り返していきます。
バッテリーの充電を繰り返すことでバッテリー液のコンディションを整えられるのでとても大切なことです。
バッテリー液のコンディション状態をチェックするために欠かせないのが、“比重値”。
比重値はバッテリー液の希硫酸濃度であり、どのような状態か診断するための規定値となっているので知っておいてください。
充電を繰り返していくとバッテリー液の中に含まれている硫酸の濃度が均一になってきます。均一になればなるほど比重値が上昇し、正常にバッテリーが動くのです。
そして、電極上にサルフェーションが再び付着しないように、“アンチエージング”をおこなうこともあります。
しっかり予防をしておくとバッテリーの寿命が長くなるのでぜひチェックしてくださいね。

3.バッテリーを再生させるメリット

3-1.環境にやさしい

フォークリフトのバッテリーを再生させたらどのようなメリットがあるのか、気になっている人も多いでしょう。
1番に挙げられるメリットとしては、“環境にやさしい”こと。
再生バッテリーはCO2の排出量が新品バッテリーよりも極端に少ないです。
どのくらい少ないのかというと、なんとおよそ94%もカットできると言われています。環境問題が深刻化している今の世の中、環境にやさしい再生バッテリーはぴったりあっているバッテリーになるのではないのでしょうか。
また、カットされたのはCO2の排出量だけではありません。
消費エネルギーもおよそ95%カットできます。
無駄な消費エネルギーを削減し、排出するCO2も減らす再生バッテリー。
ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

3-2.コストを大幅削減

会社や企業にとって、バッテリーにかけるコストは大きなポイントでもあります。
再生されたバッテリーはとてもコストが低く、新品バッテリーの価格の1/2となっているのです。
フォークリフトが新品バッテリーを使うほど新しくなく、もうすぐで寿命だな…と感じるとき、新品バッテリーを使うのはもったいないですよね。
そこで、コストが低い再生バッテリーが大活躍します。
あるメーカーのバッテリーの価格と比べてみても圧倒的にコスト削減ができます。
再生バッテリーの性能は新品とあまり変わらないので経営コストについて悩みがある方は再生バッテリーが断然オススメです!

3-3.緊急時に役立つ

再生バッテリーは、「環境にやさしい」「コストを大幅削減」という2つの大きいメリットがありますが、これらのメリットを生かしたうえで緊急時にとても役立つバッテリーとなっています。
まだ作業があるのに途中でバッテリーが切れてしまい、困ったことはありませんか?
そんなときこそ、価格が安く、性能も新品と変わらない再生バッテリーが大活躍してくれます。
新品バッテリーのほかに再生バッテリーをいくつかキープしておくといざというときにとても役立つでしょう。
再生バッテリーを使う企業や会社が増えてきているのでぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

サルフェーションやバッテリーの再生について詳しく説明してきました。
もう一度、一緒におさらいしていきましょう。

  • サルフェーションはバッテリーの病気
  • バッテリーの劣化はほとんどがサルフェーションの影響
  • パルス電流でサルフェーションを分解する
  • 充電を繰り返すことで比重値を安定させ、アンチエージングで予防
  • 環境にやさしい
  • コストを大幅に削減できる
  • 緊急時に役立つ

サルフェーション除去をおこない、バッテリーを再生させようと考えている方は以上の7点について必ず確認しておいてください。
バッテリーの再生をおこなっている専門業者がたくさんあるので、無料見積もりを依頼してみましょう。
ひとつの業者だけでなく、複数の業者に無料見積もりを依頼した方がどこが1番安い費用で済むのか、どのような方法で再生をおこなっているのか比較できますよ。